朝が来る 辻村深月
子供を授かる事が出来なかった夫婦と、子供をまだまだ自分の力では育てることが出来ずに、手放すことになってしまった少女の、それぞれのお話
子供とは、夫婦とは、家族とはと、考えさせられる作品でした
家族の定義とはなんだろう…
男女が結婚する、そして、子供が生まれる
これが ”普通” の家族と考えられている
“普通” とか ”常識” とか大嫌いなんですけど、今の世間一般、日本では多分、この家族の形が ”普通” なんだ
大多数とも言うかな
この物語の栗原夫婦のように、子供を授かる事が出来ないということに直面し、養子をもらうと選択した時に ”普通” ではないことなので、周りの人たちを説得するのも、理解してもらうのも大変な事なんだと思う
夫婦間でも様々な問題を乗り越えなければ、いけなかったんだろうな
そして、中学生で子供を授かって、ここでも ”普通” ではないことになってしまった、片倉ひかり
ひかりの両親は、共に教師という、先ず第一に子供のことを考えることに重きをおく職業にも関わらず、逆に教師という立場からなのか、ひかりの子供とひかりまでも切り捨ててしまう
血のつながりに甘えたからこそ、自分たちは大事なことを言葉で話し合ってこなかった親子だった
自分たちが気持ちを強く持ってさえいれば、どんなことも怖くないのだと
家族は、努力して築くものなのだと、思い知る
朝が来る 本文より引用
最後の章は号泣でした
たくさんの苦しくて、辛くて、悲しくてやりきれない思いをして、それが永遠に続くじゃないかと思えても、それでもひたすらに頑張って、自分の考えを貫いた先には、必ず『朝が来る』んだと思いたい
それでは、このへんで(‘ω’)ノ
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